住宅を購入するとき、まず「どんな家に住みたいか」「どんな立地が良いか」と物件探しから始める方がほとんどだと思います。しかし、本当に大切なのは「信頼できる不動産会社を選ぶこと」。この視点が、実は住まい選びの成否を大きく左右します。

■インターネット時代の“落とし穴”

不動産ポータルサイトの普及により、誰でも簡単に物件情報を検索できるようになりました。一見、情報はオープンで平等に見えるかもしれません。しかしその裏では、「情報の非対称性」という大きな問題が存在しています。
不動産会社が持っている知識や経験、内情の情報に対して、一般の購入者は圧倒的に不利な立場にあるということです。たとえば、将来的に資産価値が下がる可能性のある立地や建物であっても、それを購入者が自力で見抜くのは非常に困難です。結果として、知らずに「損をする不動産」をつかんでしまうケースも少なくありません。

信頼できる不動産会社を選ぶという視点が、抜け落ちているからです。

不動産流通機構「レインズ」は、売却依頼を受けた不動産会社が物件情報を登録・共有できる仕組みで、多くの不動産会社がこのネットワークを利用しています。そのため、レインズに掲載されている物件は複数の不動産会社で取り扱われることが一般的です。
先に契約を取った会社が仲介手数料を得る仕組みであるため、不動産会社側は早く成約させることに注力しがちになり、以下のような問題が起きやすくなります。

• 購入者の資金力だけを見て、とにかく売ろうとする
• 購入後の生活や資産価値への配慮は二の次
• ネガティブな情報は積極的に伝えない
• 購入者にとって本当に必要な助言をしない

こうした対応をする会社に当たってしまうと、あとで後悔する結果になりかねません。

不動産は一生の中でも最も高価な買い物の一つです。購入後に後悔しないためには、「どの会社から買うか」は重要です。
信頼できる不動産会社とは、次のような姿勢を持っています

• 物件をすぐに勧めるのではなく、まずは丁寧にニーズをヒアリングしてくれる
• 良い点だけでなく、デメリットも正直に伝えてくれる
• 急かさず、じっくりと比較・検討させてくれる
• 将来の資産価値や売却の可能性まで見据えてアドバイスしてくれる
• 中古住宅ならインスペクション（建物調査）や耐震診断を案内してくれる
• 住宅ローン控除やリフォーム一体型ローンなど、お得な制度の活用方法を教えてくれる
• 提携する建築会社と連携して、リフォームやメンテナンスもワンストップで相談できる

残特に、住宅ローンやリフォーム費用との組み合わせ、フラット35の無料事前審査など、金融機関との連携がスムーズな不動産会社は、購入者にとって大きな味方になります。

住宅購入においては、不動産会社としての方針や制度、取引実績は重要なポイントです。加えて、サポートしてくれる「担当者」の存在も無視することはできません。 実際に対応する担当者の考え方や行動が信頼できなければ、満足のいく住まい選びは難しくなります。

不動産購入は多くの人にとって一生に一度の大きな決断。だからこそ、担当者の「人柄」や「相性」、そして「スキル」は大切です。 メールだけのやりとりでは見えてこない部分も多いため、実際に話してみること、いくつか質問や相談をしてみることをぜひおすすめします。対応の姿勢や、知識・経験、誠実さが、会話の中で少しずつ見えてきます。

信頼できる会社、そして親身に寄り添ってくれる担当者。これらが、納得のいく不動産購入への近道となります。